園庭の桜の蕾が膨らみ、いよいよ花が咲く季節になりました。保護者の皆様をお迎えして卒園式を行うことができ、大変うれしく思います。令和五年度に41名の年長児が卒園します。
冬組のお友達、ご卒園おめでとうございます。一人一人が保育証書を受け取り、新たな気持ちをもち、今ここにいることでしょう。一人一人の名前を呼ぶと一人一人との思い出が溢れてきます。冬組になったときはちょっと背伸びしたり、憧れと喜び、戸惑いを感じながら、日々を過ごしていましたね。「年長さんになったら、なんでもできる」その自信も、遊びの中で想い通りにいかないことの連続。ラキューや積み木、パズルたち。友達との関わり。皆で話すサークルタイム。自分の気持ちが強すぎたり、相手の気持ちに気づくことができなかったりしましたね。「始めは何事もうまくいかない。」中で、「なぜ」「どうして」を繰り返し、子どもたち一人一人が試行錯誤しながら、考えた日々。自信がなかったり、不安を感じたときは先生たちに支えてもらいながら、一歩一歩と不安を勇気に変え、歩いてきました。そしていつの間にか、先生たちから離れ、自分たちの力で様々なことに挑戦していましたね。一人一人の表情からは、たくましさと自信を感じ、うれしさがこみあげてきました。
一週間かけて作った作品。友達と積み上げた積み木。崩れても崩れても共に声をかけ、諦めなかった。鬼ごっこは負けず嫌いの友達が多く、何度も何度も勝つまで挑戦する。折り紙やあやとりを教えてもらえば、様々な技に挑戦し、自分でできるまで挑戦していましたね。分からない友達がいたら、そばで教えてあげたり、互いに支え合う姿がありましたね。夏祭りや運動フェスタ、発表会では友達と真剣に話し合い、意見を出し合い、一人一人の意見が違っても、友達の意見に耳を傾け、相手を認めること、自分の意見を伝えることの大切さを感じていましたね。クラスの友達と作った御神輿は、一人一人の思いが形となったものになりました。様々な経験と遊びが大切なことを教えてくれました。
「41人の仲間」と先生たちと共に過ごしたかけがえのない日々。「41人の仲間」がいたから、ここまで成長できたことを忘れないでください。そして、この日々の生活や遊びで培った「遊びの心」「遊び心」は、今からの未来をつくっていく、自分の世界を広げていくための土台となっていきます。
「できない」と決めつけない。自分の力を信じ、目標を決め、その目標に向けて挑戦していく。今日の自分を明日超えていく。
周りと比べる必要はありません。一人一人の良さを出し、一人一人の違いを認め合い、未来をつくっていく。自分とは違う意見にも耳を傾け、自分の力に変えていく。
「ありがとう」の心、思いやりの心を持ち続けてください。まずは家族の方を大切に、支えてくれている人や自然、出来事に関して感謝を忘れない。
このことを忘れず次の小学校での活躍を期待しています。
保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。職員一同お祝い申し上げます。「光陰矢の如し」時が過ぎるのは早いものです。小さな手が握りしめたこと、おとうさんおかあさんと名前を呼んでくれたこと、よちよち歩きで追いかけてきたこと…。様々な思い出たちがよみがえってくることと思います。思い返すと入園した当初からコロナ禍で、育児、仕事等で大変な時期を過ごされてこられたのではないでしょうか。その頑張ってきた保護者の方の姿が子どもたちのモデルとなっています。子どもたちは、キラキラした目の輝きで自己を発揮し、仲間と共に生きる力を育んできました。輝きを失わずにこれたのも、家族の方がいつも太陽のように、子どもたちを信じ、温かい笑顔で見守ってこられたからだと思います。
温かな笑顔のエネルギーを浴びながら、子どもたちは自分の力を発揮し、自分の可能性を広げていきます。小学校という次のステージにおいても子どもたち一人一人が力強く地面を踏みしめ、自己を発揮し、他者と協力することを大切に自分の道を開いていくと確信しています。保護者の皆様と共に「子どもたちのために」歩めたことを本当に感謝しています。保護者の皆様に感謝するとともに子どもたちの小学校での活躍を願い、私の祝辞とさせていただきます。
令和6年3月16日 和田幼稚園 園長 田名橋 真敏